近頃思うこと1


人間も動物なので当然の事だが弱肉強食の歴史の中を生き抜いてきた。

現代に至って生き残ってきたその弱肉強食の矛先は同じ人間に向けられたとしても不思議でも矛盾でもないだろう。


優秀な能力、才能を持った一部の人間だけが豊かになり、大多数のそれほど優れた能力を持つわけでもない人間はその支配下に囲い込まれて行き所も奪われてしまい無気力になり臆病になってしまう。

その中でも幾層にも重なった差別が形成されて差別が差別を生み出し不安は増幅される。


一方でいかに優れていても、 もっと優れた人間は幾らでも居るのは当然で自分の地位を何時奪われてしまうか常に不安である。


政財界でも一時は優れた経営者、 才能とマスコミでも持て囃されその権力や財力を誇った者でも僅かな隙を突かれ長くその座を占めることなくいたずらにマスコミに晒し首となって頭を下げさせられ引きずり落とされていく。


とは言え権力、富を嫌い者は居ないし永遠に続くものなら誰でも欲しい。

こんなことを書いていること自体、能力も持てない挽かれ者の小唄じみはている。

能力主義という言葉は勿論歴史的に言われてきたことだし自分自身勉強すればもっと良い学校に入れ高い安定した地位を得ることが出来ると教育され全く何の矛盾も感じずに育ってきた、今でもそう感じている人も多いはずだ。


しかしこんなに次から次へと追われ続けねばならない矛盾に満ちた不毛のシステムだったとは気が付かなかった。


しかもこのエリートと呼ばれる個体も集団もエネルギーの消費が激しく弱い個体や集団から収奪してそれ自体は更に肥大化するが、地球上の限りあるエネルギーは増えることは無く激しく減少する。


唯一救いは宗教、哲学である筈がそれらもまたお互いに殺しあっているのが実情といえるだろう。


落語の「二人酒」というのを知ってるだろうか?

二人ののん兵衛が隣村まで樽酒を届ける噺だが途中で代わる代わる飲んでしまい樽は空になるというものだが、今、我々世代が次世代に届けようとしているのは何なのだろうか?